
火をつけろ。燃え残った全てに。どうも、レコン・ギス田です。
いやあダークウォーターっていいもんですねえ。そんな記事を沢山書いては来ました。
が!同時にアナログゲーマーとしてもう一個のテーマについてもずっと考えていました。
多くのプレイヤーも同じように感じたのではないかと思うんですが、緊張感があるとか手応えがあるとか、そうした前向きな言葉も確かに当てはまるのですが、それ以上に先に来るのはこれ難くない?という戸惑いではないでしょうか。

こういった時に考えられるのがハウスルール、プレイヤーによる自主的なルール調整ですね。アナログゲームというのは与えられたルールに従って遊ぶものですが、その気になれば無視したりルールを追加したり簡単にできます。
今回はダークウォーターにおいてそのハウスルール、どういったものがありかというお話を、海外の情報を踏まえて紹介したりしてみたいと思います。ダークウォーターに詰まったり限界を感じた方のご参考になれば幸いです。
目次
前置きと体験談
さてダークウォーター。盤面に敵が並び、数ターン進んだだけで仲間が倒れ、気付けば勝ち筋はわずか。あるいは既に分水嶺を越えている。ある程度遊んだ方の中にはそんな展開を経験した人は少なくないはずです。
前作のカースドシティでもそうなんですが、結構自動NPC相手のゲームというのはシビアで、ダイスの出目次第であっさり地獄生き。リアルラック次第での展開の振れ幅は理不尽極まりない。(なおこの前エラッタもでたんですが……)
とはいえアナログゲームのいいところは自分たちでその気になればルールの調整ができる所です。実例として先日遊んだ私の卓のお話をします。
まず、クエストに失敗してしまいました。題2章でボコられて2周目となる第一章で、やってまいました。ダークウォーターですとクエストに失敗した場合はアイテムを破棄した上で再挑戦可能、というルールがあります。ですが、そも難しくて失敗したのに前回よりアイテムない悪条件で勝てるかヴォケというのが本音。
そのクエストの仕組みについて。選択するクエストはカード14枚から2枚ずつ引いて、どちらかを選んでイベントなり戦闘形を繰り返していく形式です。なのでクエストに失敗した時は選ばなかったもう一方のクエストを改めてチャレンジする、という方法でなんとか突破しました(あれは夢だったのだ……ということで)。
穏当な解決策だったとは思いますが、同時に「これはアリか」「本来のゲーム体験を損なうのではないか」という迷いもでてきます。あの時は妥当だったと思いますが、ではどこまでもありなのか。ここから考えてみたいと思います。
難しいのはプレイヤーのせいか設計の問題なのか
まず整理しておきたいのは、ダークウォーターの難しさがどこから来ているのかという点です。難しいゲームには大体二種類あります。ひとつは、プレイヤーの判断や経験値が結果に直結するタイプ。選択肢ややれることが多い中で必要なアクションを分かってないと失敗するやつですね。またそれを使いこなすスキルも。
もうひとつは、そもそもの設計や状況が厳しく、プレイヤーの腕前以前に圧力をかけてくるタイプです。
ダークウォーターは、少なくとも2セッションやった印象において後者に近いと感じます。
敵の数や配置、攻撃の集中度、回復の乏しさなどが重なり、プレイヤーが「次にどう動くか」を考える前に盤面の圧力に押されてしまうことがある。こういっちゃなんですがそんなにルールは複雑でないし、やれることも多くない。そのうえで難しい。もちろん、慣れれば突破できる場面も増えていきますが、初見にとっては試行錯誤する余裕が少ないのも事実です。
海外のレビューやコミュニティをみてもそんな感じです。プレイレポートを除いた限りでは「初期ターンで事故が起きやすい」「運よりも配置の暴力を感じる」「クソ!」といった声がしばしば見られます。
つまり難しいこと自体を否定しているわけではなく挑戦する前に脱落してしまうことがあるという点に引っかかりを覚えている人が多いようです。そうするとやはり、同じように調整をする方も見られます。というわけでいよいよ本題。
許される調整について(これぐらいならありじゃない?)
これまでの話を踏まえて、海外のプレイヤーはさらっと自然にハウスルールや微調整を取り入れています。いやファンメイドの遊び方とかルールとかが盛んですからね、そこら辺はやっぱり色々意見もでてきます。
なんでちょっと大まかにみていて、使えそうなものや頻出する意見をざっくりまとめてみたので、紹介させてもらいますね。大まかに分けると3つあるかと。
①初手事故回避!最初は手厚く
まず最初に触れたいのは、序盤の圧殺事故についてです。いやほんとね。
ダークウォーターは、特に1ターン目の時点で敵の圧力がかなり強い。出る時は敵がバンバンでてきて、うっかり足並みが乱れるとターゲットが集中する。こちらが何かを試す前に、試す権利ごと削られるような展開が起きることがあります。
ここに対して、敵の能力値を下げる必要はありません。やるとすれば、ちょっとだけのサポートで十分です。
例えば、初期配置の敵を一体だけ減らす。あるいは最初のラウンドだけ、同一キャラへの集中攻撃を避けるようにする。また敵の出目を1だけ下げる。
これだけで盤面は大分楽になります。ダークウォーターは限られた時間であれこれ動かす必要があるせいか、序盤相手が上振れこっちが下振れると、もうにっちもさっちも行かなくなります。
とにかく理不尽な負けをなくす、というのはみんな同意できると思います。海外のプレイヤーもこの方向性が多い。敵を弱体化するのではなく、事故率を下げる。難易度を下げるのではなく、理不尽さを削る。
そんなわけで、序盤だけ敵の攻勢を緩めるようにする。ここは意識していいと思います。
②猶予とチャンスを増やす
次にでてくるのは回復やリソースの扱いです。ダークウォーターは立て直しの猶予が薄い。一度崩れると、そのまま雪崩式に押し切られる。前述しましたがこれはみんな行ってますね。
一応クエストは選択式で、回復できるものもあるんですがそこも出目次第だったり状況によってはハマらなかったり。
かといって単純に回復量を増やす、と行った処理は途端にゲームの緊張感が薄れます。それはやりすぎです。
代わりに、条件付きで一度だけ使える猶予を設ける。例えば、特定のエリアを制圧したときに一度だけ回復できる。あるいは一度だけ条件は満たせばダメージを軽減できる、リロールが可能。アイテムを破棄したりお宝をゲットする代わりなど。
これなら敵のダメージはリスクとして置きつつ、きちんとそのうえでリカバリーが出来たり、その条件を満たすために動くかどうか、という判断が生まれます。ワンショット救済、とかなんとか書いてましたが、このあたりも妥当性があると思います。あくまでプレイヤーの行動に紐づく形での補助。
そんなわけで、回復や失敗挽回のチャンスを作る。これもいいと思います。匙加減はちょっと難しそうですが。
③負けた後の扱いを柔らかくする
例えでも話しましたが、これは割と同じようにやってるところがありました。クエスト再挑戦のお話ですね。
失敗したらアイテムを失い、さらに同じクエストに再挑戦。正直、難しいミッションで敗北した直後に悪条件で再戦しろと言われても、心が折れます。あと普通にめんどい。
そこで「選ばなかったもう一方のクエストに挑む」という処理。これは難易度を下げているわけではありません。物語的にも「あれは悪夢だった」ということでなんとかまあ……通るかな。
ダークウォーター、クエストが山ほどあってランダムにカードを選んで、というところが良いところではあるので、別のクエストで出直すというのはやはりあるようです(引き直すというアクションができるのはカード形式のいいとこですね)。
あと海外フォーラムでも、キャンペーン型ゲームでは「失敗時のペナルティが強すぎると離脱率が上がる」という議論はよく出ているみたいです。だからこそ、再挑戦ルールを少し柔らかくしている卓は少なくない。
ということでコンティニューや再挑戦に、ペナルティを失くし救済策として追加する。これもまあ妥当な調整じゃないかと思います。
まとめ:結局、どこまでやっていいのか
大体こんな具合ですね。他にもややこしいルールはありましたが、説明が大変なんで汎用性のあるこのあたりで。
ここで誤解してほしくないのは、公式ルールを軽視しているわけではないという点です。むしろ、公式ルールはゲームの理想形であり、いずれ挑戦すべきゴールでもあります。ただし、そこに至るまでの道のりはプレイヤーごとに違って良いと思います。
海外コミュニティでも、まずは調整して楽しみ、慣れてきたら徐々に公式ルールへ戻していくという遊び方は珍しくありません。つまり調整はチートでもズルではなく、ゲームと長く付き合うためのステップとして捉えられているのです。補助輪みてえなもんよ。
あと結局のところアナログゲームについては、遊ぶため・楽しむためにあるものです。ルールはそのための道具であって、目的そのものではありません。もし適切な調整によって楽しめる機会や楽しんでくれる仲間がいて、次も遊びたいと思えるなら、それは十分にありじゃないかなあと私は思います。
あとは一人で遊ぶならどこまでがセーフかを自分なりの感性を見極めて。あるいは複数人で遊ぶなら、一緒に遊ぶ仲間との意見を調整して。楽しめるラインを探っていくのもゲームの遊び方の一つだと思います。
ただ同時に、クエストやゲームに挑む前後。一度このルールで勝負する!と決めた時はそれに従うこと。ルールをどこまで守るかは、自分達との戦いでもありますから。そこに勝つというのは大事だと思います。
ダークウォーターは確かに厳しいシナリオです(海外ニキもみんなきつそう)。だからこそ、プレイヤーに「どこまでルールに寄り添い、どこから自分たちのゲームにするのか」を考えさせてくれるゲームでもあります。そしてそこにこそ、アナログゲームならではの自由さと面白さがあるのではないでしょうか。
ということで今回はこんなところで。また地獄でお会いしましょう
(写真:レコン・ギス田)