
どうも、ミニチュアゲーマーもリスクヘッジをする時代なんですよ。その事がさらなるイノベーションを生むんですね(ろくろを回すレコン・ギス田。
先日、ハンマーハンマーで自作ミニチュアゲーム、オウガークック!!を公開しました。おかげさまで早速週末のゲームの準備です😀
その時に少し気になったのが、「ミニチュアフリー」という遊び方について、あまりピンと来ていない方もおられたことです。
これも考えてみれば当然かもしれません。ウォーハンマーを遊ぶならウォーハンマーのミニチュアを使う。AOSはAOS、40kは40k。ネクロムンダを遊ぶなら……いやあれはちょっと色々ありますが。いずれにせよミニチュアゲームというと、ゲームと専用ミニチュアがセットになっているものを思い浮かべる人も多いと思います。
ですが、世の中にはそうではないゲームも結構あります。「このゲームでは、このメーカーのこのミニチュアを使ってください」という指定がなく、手持ちの模型や他社製ミニチュア、自分で改造したものなどを使って遊べるゲームです。当ブログでは分かりやすく「ミニチュアフリー」と呼んでいますが、海外ではMiniature Agnostic(ミニチュア アグノスティック?)などと呼ばれることが多いようです。
これは私個人としては全然ありな考え方で、結局ルールの都合で使う、使わないという状況を減らすことができて、持っているミニチュアの使い道が増えます。最近ちょっと出番のないスペースマリーンでもいいし、何体か余っているオークでもいい。昔遊んでいたゲームのミニチュアでもいいですし、場合によっては、そもそもミニチュアゲーム用ですらない玩具でも遊べたりします。
私自身、この手のゲームを知ってから「これ、別のゲームにも使えるんじゃないか?」とあっちこっちのミニチュアを見ることが増えました。
今回は普段ミニチュアゲームを遊ばれている方全般に向けて、手持ちのミニチュアの使い勝手や使い道をちょっと増やしてくれるゲームを、いくつか紹介してみようと思います。
Frostgrave
私がこの手のゲームを最初に遊んだのは、たぶんFrostgrave(フロストグレイブ)でした。日本語版の書籍が出ているので、そちらからルールが書いてある本さえ買えばもう遊べます。
凍りついた古代都市を舞台に、魔術師とその弟子、雇った兵士たちでウォーバンドを作り、遺跡のお宝を取り合うファンタジー・スカーミッシュゲームです。現在は公式ミニチュアもたくさん出ていますが、それを使わないと遊べないわけではありません。
手元のミニチュアを眺めて、「こいつをウィザードに、これは騎士、弓を持っているから射手」という感じで役割を決めてしまえば遊べます。
私も当時、家にあったミニチュアを色々引っ張り出して遊びました。
まだ復刻する前のオールドワールドミニチュア、つまりウォーハンマーファンタジーバトルの行き場のないミニチュアや、ストームキャストの何人かにも出張してもらいました。あとすんごい昔のウォーハンマークエストのミニチュアも混ざってます。あとは持ってるけど特にゲームで使わない陣営のとかをあれこれ使えたんで見直すと感慨深い……。
この「ゲームに合わせてミニチュアを買う」のではなく「持っているミニチュアを見ながら何役にするか考える」という遊び方が、当時の私にはかなり新鮮でした。私にとっては、この辺りからミニチュアゲームの遊び方がちょっと広がった気がします。
Stargrave
フロストグレイブを知ったら、こちらも分かりやすいです。スターグレイブは、名前の通り上記フロストグレイブと同じゲームデザイナー制作のSFスカーミッシュゲームで、船長や副官、兵士たちを集めて宇宙船のクルーを揃えます。
こちらは日本語版がありませんので、公式の販売サイトだけ失礼します。
こちらは当然、SF系ミニチュアの出番です。スペースマリーンを重装備の傭兵として使ってもいいし、ネクロムンダのギャングを宇宙船の乗組員にしてもいい。オークなら宇宙海賊ということにしてもいいでしょう。
ゲームの舞台自体が非常に広く、軍人、賞金稼ぎ、海賊、犯罪者、異星人、サイボーグなど、色々な連中が宇宙を飛び回っています。多少雰囲気の違うミニチュアを混ぜても、「まあ、宇宙のどこかにはこういう奴もいるでしょう」で大体なんとかなります。うおお多様性!!
40Kやネクロムンダ、キルチームなどを遊んでいる方なら、家に宇宙船の乗組員候補が結構いるんじゃないでしょうか。レジェンドも関係ねえ!
最近使っていない模型を何体か選んで、「今日からお前たちは宇宙船のクルーです」と別の人生を歩ませてみる。こういう遊び方ができるのも、ミニチュアフリーの面白いところです。ファンタジーのを宇宙船に乗せる、スターオーシャンみたいなのも考えてた気がします(結局ちょっとゲームはできてないですが、いずれやりたいですね)
SPACE GITS
続いてSPACE GITS。これも名前からして何となく察せられますが、宇宙でオークたちが暴れ回るスカーミッシュゲームです。これは販売ではなくルールを無料公開してます。キックスターターで紙版も作ってたみたいですが。
★こちらは無料のクイックスタートルールが公開されています。フルルールのデジタル版も販売されています。
公式からして「Miniature-Agnostic」「Kitbash-Friendly」を掲げていますので、40Kなどでオークを持っている方ならかなり入りやすいと思います。最近のオークのあれこれで、昔のをどうしようかなと思って私も最近読み直してます。
このゲーム、自由なのは使うミニチュアだけではありません。ゲームの仕組み自体がかなりユニークです。
たとえば移動するときにはダイスをプレイエリアへ転がし、そのダイスが落ちた方向へ進みます。射撃にも似たような仕組みが使われ、さらにダメージや行動状態を示すダイスを塔のように積み上げてミニチュアと一緒に動かし、その塔が崩れたらオークも倒れてしまう、と。
真面目なゲームではできない、設定勝ちというか(笑)。このあたり世界観とゲームデザインとを上手い具合に溶け込ませてるのはなんか自作ゲームでも参考になった気がします。
こういう作品を見ていると、ミニチュアゲームって、ここまで好き勝手やっていいんだなと関心です。手持ちの模型を自由に使うだけではなく、遊び方そのものももっと自由に考えていい。ネットにあるオリジナルのミニチュアゲームを調べていて面白いのは、こういうところでもあります。
Gaslands
さらに少し方向を変えて、Gaslands: Refuelled。荒廃した未来世界で、武装した車同士を走らせて戦うカーコンバットゲームです。ここで使うのは人型のミニチュアではなく、玩具のミニカーです。
手頃なミニカーを用意して、銃を付けたり、装甲板を貼ったり、トゲを生やしたりして、ボロボロに汚してやれば荒野を走る戦闘車両のできあがり。マッドマックス怒りのデスロードを見た後にルールを読むのは身体に毒です(笑)
車のおもちゃなんて日本だったらかなりどこにでも転がってますからね。玩具売場や中古屋を眺めながら、「これ、武装したら格好いいんじゃないか」と考えるところから始められます。
このあたり「ゲーム用の駒を買う」のではなく、「身の回りにある模型をゲームの駒として見る」という感覚は、今回紹介している遊び方を非常に分かりやすく表していると思います。勿論車系のミニチュアとかでも行けると思うので、色々考えていいと思います。
Necropolis28
ちょっと癖のあるやつも。Necropolis28は、アンデッドたちが死者の都で争う小規模なスカーミッシュゲームです。骸骨や亡者、魔術師、怪物などを集めて、自分の「Gathering」を作って戦います。ダークな……ギャザリング。。
このゲームで面白いのは、ルールがオンラインで無料公開されていること。作者自身、ルールはオンラインで無料のまま公開するとしています。キックスターターで物理本を作ったりはしていますけどね。
★色々紹介が分かりやすい&ルールも載ってるページはこちらから。
ですから、家にアンデッド系の模型が何体か余っているなら、とりあえずルールを見て「これなら手持ちでできそうだな」と試すことができます。雰囲気がダークでいいんですよね。
そしてNecropolis28は、ミニチュアを改造して独特の世界を作る楽しみとも非常に相性がいいゲームです。日本で言うとDark SoulsやいわゆるMordheimあたりが好きな方には、かなり気になる雰囲気ではないでしょうか。個人的にはカースドシティのミニチュアとか使えそうなんで、ちょっとメモメモ。
Trench Crusade
そして最近の作品で、この辺りの文化をかなり分かりやすく体現しているのがTrench Crusade(トレンチ・クルセイドです。
第一次世界大戦を思わせる塹壕戦に、中世的な宗教、悪魔、異端、怪物などを混ぜ込んだ、とにかく濃い世界観のスカーミッシュゲームです。
現在は公式ミニチュアも展開されていますが、デジタル版のルールは無料で公開されています。また、このゲームではサードパーティ製ミニチュアやキットバッシュ、コンバージョンも歓迎すると制作側が明言しています。
この辺りはファンタジーミニチュアとSFミニチュアの間で色々作りがいがありそうですね。第一次世界大戦風の兵士と、中世の騎士のようなパーツを組み合わせてみる。そこに宗教的な装飾を加えたり、妙な怪物の部品をくっつけたりして、自分だけのTrench Crusadeの軍団を作る。
色々想像力を刺激させられます。ここらへんになると、世界観に合わせて自分の手持ちで何が作れるか、と考えるようになってしまうので、まあまあ危険ですね。
公式ミニチュアを使ってもいいし、自分で作ってもいい。まず無料ルールを読んで、手持ちの模型で試してみることもできる。この入口の広さも、最近のミニチュアゲームを見ていて面白いところだと思います。
One Page Rules
この手の遊び方を調べていると、One Page Rules(OPR)という名前もよく出てきます。
こちらはGrimdark FutureやAge of Fantasyなど複数のゲームを展開しており、現在では独自の世界観やミニチュアまでかなり充実しています。ただ、その出発点は「手持ちのどんなミニチュアでも遊べる無料のウォーゲームを作る」というものだったそうで、この考え方は現在も明確に残されています。ミニチュアも普通にうってるみたいですが。
コアルールやアーミーデータなども無料で用意されているので、40KやAoSなどですでに軍勢を持っている方が、「この模型を別のルールでも動かしてみよう」と試す入口として覚えておいてもいいと思います。(ただ日本というか、周囲だと意外と遊んでる人を見かけない気がするんですよね。偶々でしょうか)
今回は個別のゲーム紹介まではしませんが、「ミニチュアフリー」という遊び方が、小さな個人制作のゲームだけに限ったものではない、という例のひとつです。
その他日本のオリジナルミニチュアゲーム
ここまで海外のゲームばかり紹介してきましたが、日本にもこうしたゲームはあります。
たとえばWARDAGGERは、無料で公開されている汎用ミニチュアウォーゲームです。特定の世界観を持たず、ファンタジーでもSFでも現代でも、自分の持っているミニチュアを使って遊ぶことができます。対戦を楽しむ、というコアの部分を詰め込んだ遊び方ですね。
紹介文にも「棚に飾ってある、あるいは箱の中で眠っているフィギュアやミニチュアを使って遊ぶ」という考え方がはっきり書かれていて、今回ずっと紹介してきた「持っている模型からゲームを始める」という遊び方を真正面からやっている作品です。(しかもルールは無料公開)
「海外ではこういう変わった遊び方もあるんですよ」というだけの話ではなく、日本でも自分たちでルールを作ったり、自由なミニチュアの遊び方を考えたりしている方はちゃんといます。
他にも調べてみるとロボットを使って遊べるクロガネンゲイジとか、テーブルウォーズとか、日本でも同じようにこうした遊び方を考えられてる方は結構居られますね。
この辺りは今回全部詰め込むと話が広がりすぎるので、いずれ「日本で作られているミニチュアゲーム」という形で、改めて紹介してみたいところです。(御本人許諾とかがいるんでそこは慌てずに
まとめ
ということでいかがだったでしょうか。私視点で知ってるやつから並べたのでムラはありますが、ご参考まで。改めてみると結構ありますね。
FrostgraveやStargraveのように、好きなミニチュアを集めて自分のウォーバンドを作るゲームもあれば、SPACE GITSのようにオークという素材を好き放題使うゲームもあります。Gaslandsも車ミニチュア沢山で良いですね。
さらにNecropolis28やTrench Crusadeのように、まず無料でルールを読んで、自分の持っている模型から始められる作品もあります。One Page Rulesのように、その考え方から始まってかなり大きく展開しているものもありますし、日本にもWARDAGGERのようなゲームもあります。
これらに関しては、兎に角専用ミニチュアにこだわらずに始められるところ。「このミニチュアが好きなんだけど、何か遊べないかな」からゲームを探してもいい。
これはすでにミニチュアゲームを遊んでいる人ほど恩恵が大きいと思います。何しろ、新しく何十体も買わなくても、家にいる連中にもう一度出番を与えられるわけですからね。
あるいはなければ作ってしまってもいいです。冒頭で少し触れたオウガークック!!も、考えてみればこの辺りの発想に近いところから始まりました。
オゴウルのミニチュアがレジェンド行き、リニューアルというニュースを聞いて、何か別の出番を与えてやれないかなと思い始めたのがスタートです(ちなみにタイトルを適当に考えて、そこからルールはざっくり考えました。
ある意味ミニチュアゲーム、それぐらい気軽に遊べるのが良いのかもと思います。今は3Dプリンタもありますし、ミニチュアの入手の敷居はより下がってますしね。
なんにせよ。まずは一度、棚にあったり閉まっているミニチュアを眺めてみてください。最近出番のない宇宙海兵、リニューアルで行き場を失ったオーク、昔塗ったファンタジーの戦士、なぜか大量にいる骸骨……。もしかすると、その模型にはまだ別のゲームでの出番が残っているかもしれません。セカンドライフや!
普段からミニチュアゲームを楽しまれている方にこそ、一度こういうゲームも試してみてほしいです。手持ちの模型の使い道が増えますし、今までとはちょっと違った目でミニチュアを見るようになるかもしれません。
ということで今回はここまで。
ではまた!(実はコグフォートを使った独自対戦ゲームルールをまた作ってますんでこれもそのうちね。。。