最終更新日:2023/09/01 編集:レコン・ギス田
このページではウォークライのスターターセット、クリプト・オブ・ブラッドについて解説します。
概要
スターターセットと銘打たれていますが、過去のウォークライスターター、ハート・オブ・ガウルやレッドハーヴェストなどと比べてもかなり経路の異なるセットとなっています。おそらくですが、今回のこのセットはミニチュアゲーム初心者の方やアンダーワールドのミニチュアに興味を惹かれた方に向けた商品となっているのではないかと思われます。これまでのウォークライのセットとしては異色の品なので、購入を考えている方の参考情報としてここに詳細をまとめます。
まず内容物。ミニチュアにテレインにマット、トークンにダイスとゲームをする上である程度揃っています。一つずつ写真を交えて確認していきます。
内容物:ウォーバンド・テレインについて
まずはミニチュア。
ウォーハンマーアンダーワールドでお馴染み、ザンダイアの真理探求団と紅の宮廷団のミニチュア(ランナー)が入っています。どちらもアンダーワールドを持っている人にはおなじみですね。ただし今回はウォークライで遊ぶに当たって、専用のカードが同梱されています。
該当ミニチュアはそれぞれ4体ずつ、各1枚全部で8枚のカードとアビリティ用のカードが入っています。データが分かれば遊べるウォークライですが、取り回しを良くするのにもこのあたりは嬉しいですね。
そしてテレインも今回のセットには入っています。
今対決セットの雰囲気を作るホラー調の壁や柵、棺桶といった小物類ですね。それぞれ移動の際の処理を覚えたりするのに使えます。またこれらは今回のセットで唯一の完全新規造形テレインです。もしかしたらセットの中で一番価値があるかもしれませんね。
なおこれらのセットについてはイージートゥビルド、全て接着剤不要で組み立てる事が可能となっています。このセットが本当に敷居を低くした、初心者に向けたセットである、という事が実感できますね(その割には尖っている小物が多いのが大丈夫なのだろうかと思いますが)。
内容物:マット・トークン・ルーラー等について
なおこれらの組立方法にはきちんと説明書もついています。組み立ても安心です。
そしてゲームのフィールドを形作るマットもきちんと付いています。これは当然ウォークライのフィールドサイズと同じ大きさです。ただし従来のセットに付いていた厚紙式のものとは異なる紙製になっています。他のマットと一緒に準備する時は段差ができてしまうので、注意が必要です。
※実はこれが一番欲しかったので嬉しいですね。何かあった時用に1枚は常備しておきます。
こちらはウォークライ1版にあった死骸の大霊廟※と同じマットですね。雪のプリントされたボードはなにげに少ないんでちょっとお得かも。(※↓これですね。)
なお裏面はこちら。こっちのデザインも懐かしい顔です。
エイトポイント、エイトポイントじゃないか!とテンションが上がるのは私だけでしょうか(初代スターターと同じ図柄になっています)。
そしてもう一つ今回重要な異様物として、専用マーカーセットがあります。
財宝や目標物を示すマーカー、トークンに命令終了などを示すトークン、あとは今回短剣・盾・槌のトークンがあるのでセットアップの時にも分かりやすくなりました。
とはいえ一番使うのはやはり傷マーカー。20以上の傷がざらにあるウォークライではこの傷マーカーのセットは非常にありがたいですね。ドクロマークの頭に描かれているのが与えられたダメージ量を示します。1の裏面には3。5の裏面には10と書いてあり、量に応じて置いていくのが大事です。ただまあ良く使う分良く失くすので……多めに持っておいて損はないですね、はい。
ただし注意が必要な品が一点。
移動距離測定のためのゲージですね。これは実はエラッタでも公開されていますが、0~1の目盛り、ここの距離が間違っています。1mvが1mvでないんですね(この前うっかり使ってしまいましたが……)。
なのでこれをゲームで使用する時は1の目盛りから6の目盛りまで、全部で5mvまでの距離を測定するのに使うのが良いでしょう。(これをエラッタで済ませるのはええんかと思います)。
そしてダイス。全部で18個あります。多いようですが、ウォークライは各ターンに両陣営がダイスを6個必ず振らないと行けないゲームなのでこれくらいは必須ですね。なおワイルドダイスを入れるともっと減ってしまいます。ゲームする時は他にもダイスを用意すると安心かもしれません。また小さいのでうっかり失くさない用に注意しましょう(※これだけ商品情報から切り抜いています。察して下さい)
書籍について
そして今回一番重要なポイント、専用のミニブックについてです。
クリプト・オブ・ブラッドと銘打たれたこの本には、まずウォークライもといウォーハンマーエイジオブシグマーの世界観に触れられており、そこからこの対決セットの2陣営の設定が語られています。初めての方にもここは大事ですね。
そして肝心のゲーム部分ですが、今回のセットを使ったチュートリアルのプレイ方法について書かれています。他のウォーハンマーのセットではお馴染みのミニゲーム方式のミッションを写真やサイコロの出目まで記載して、どのようなことができるか、何が起きるのかを非常に丁寧に書かれています。
移動方法から始まり攻撃やアビリティ、各ターンにどのような事ができるのか。どのようにダイスを振ってどのような結果がもたらされるのか。文字だけでは伝わらない一つ一つの処理をこれでもかというくらい丁寧に書かれています。
ウォークライ自体は非常にシンプルで覚えやすいゲーム……とはいえ、全くのミニチュアゲーム初心者からすればわからないものはわからない。そうした方に実際に語りかけるような、本当に簡単なゲーム指南書となっています。
掲載されている全部でミッションは7つあり、順番建ててゲームの方法や処理を覚えることができます。最後にはスターターに入った全ミニチュアを使った対戦ゲームを行うことができます。
ミッションの解説の後には、ウェブで公開されているようなコアルールの簡易版情報が記載されています。実際、この手のゲームは試しに遊んでみてみないと言葉の意味がわからないことが往々にあります。そのためこれは正しい順番だと思います。
そしてその後には今回のセットの最大の問題点。ウォークライが1000ptのミニチュアセットで遊ばれるものであり、新たに援軍を準備する必要があると記載されています。またブレイドボーンである本セット内のファイターの使い方矢、そして他のミニチュアセットについてさらりと紹介されている広告ページを読むことができます。
なお今回の本にはバトルプランジェネレーターなどチュートリアルミッション以外の遊び方は記載されていません。そのため実際に遊ぶ場合には、コアブックやナールウッド対決セット(ナイトメアクエスト等)が必要になります。
まとめ
ということで。2023年8月30日のプレビューオンラインでも紹介されましたが、ウォークライはまだまだ独自のセット販売の展開を続けていきます。本当に嬉しいことです。ただその一方で、既に5年目となるベテランプレイヤーから殆んどゲーム経験のないビギナーまであらゆる層を満足させる商品というのは難しくなってきます。
今回のセットについては、おそらく全GWゲームで最も簡単で最もわかり易いウォークライを、模型工作やミニチュアゲームが初めての方にターゲッティングした上で、今回のような形の内容になったのではないかと思います。
既にチュートリアルの内容を把握されている方にとっては新たなゲーム性を持つとはいいづらい本商品ですが、きちんと読めばウォークライのルール、ミニチュアゲームの遊び方は必ず理解できるものになっていると思います。
今後ミニチュアゲームを始める方にとって、ウォークライに興味を持ってくれた方にとって良いきっかけになれば良いと思います。
※本記事の画像データ参照先(WarhammerCommunity+本人撮影)