プレ大会後インタビュー③のうさん 編

最終更新日:2023/10/31  編集:レコン・ギス田

ということで今回もインタビューです。プレ大会優秀成績者三名からそれぞれお話を聞くということで、最後にはなりますが今回も実績のあるウォークライプレイヤー巧者の方のお話、マインドセットを伺っていきたいと思います。のう@968cSe6E5t5KkLJさん、よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

ロスターのコンセプト・狙いについて

最初の質問。今回のロスターのコンセプト・狙いについてですね。今回大会参加のロスターで唯一のモンスター入りのロスターでしたけれども、コンセプト・狙いについて伺えればと思います。もう優勝してやろうというぐらいの狙いはありましたか?……というと大げさですが。

モンスターを使った事も使われた事もあまりなかったんでちょっとこの機会に使いたいなっていうのがメインでした。
以前のインタビューにもあったせーたさんと同じく、使いたいモンスターを主軸にちょっと海外のロスターのちょうど良さそうなのを参考にしました。何よりキメラがどれぐらい戦えるのかなっていうのを試したかったのが本音です。
ウォーバンド自体の意図や狙いという意味では、それらの情報を参考にそれがどういう意図で組まれたものか、使いながら探って楽しみたい、という気持ちがありました。

なるほど。……余談ですが、のうさんはウォークライの2版になってからキメラが強いとしきりに話してくれていたんですが、ずっとウェブオーダーできず手に入らなくて嘆いていました。大会ちょっと前に手に入ったとはしゃいでいて、いつかは使うだろうとは思ってましたが……ここだとは。
それでどうですか?そのゲームにおいては、実際これぐらいできるだろうというライン、当初の予想通りの働きをしてくれたでしょうか

4戦全部通して期待通りの動きは、できたかなという思いです。むしろ使うこと自体初めてだったんで、働いてくれるかなというよりは使いこなせるか、の方がネックだったんですがキメラ自体には満足しています。その主軸のキメラについて。彼はウォークライファイターの中で、一番コストの高い515ptになります。

そうですね。エラッタでメチャ上がってびっくりでしたが……能力値を見るとそれもやむなしとも思います。

*※該当部分切り抜き

そうですね。そして残るのは半分もない485pt。今回一番多く編成されているのがプレーグベアラー。50ptと安い彼らを5体入れました。

はいそうですね、これもかなり安くて入れやすいですね。ちょうど50というのは切りも良い。

渾沌のファイターの中でも最安値なので、数を入れられるっていうのがまず一つ。あと意外にも傷が10あるところと、リアクションの効果でヒットのダメージ-1できるって言ったところで、時間を稼いでもらう役目があります。

対戦相手のエースはともかく、2番手3番手相手の2/4とか1/3ダメージとかのファイター相手なら、倒すことを諦めて割り切って確保に専念する、とやるには長持ちしそうですね。
それに実際50ptってのはかなり得ですよ。よくいるファイターだとでやっぱり55~60ptぐらいが結構多いんですね、一番安くて弱いやつだと。ただこれだと100ptで2体入らないんです。これはキメラで圧迫されたコストにはかなりありがたい話じゃないかだと思います。

まさしく。キメラとそういう意味では相性がいいです。あとは弱点が足の遅さなんですけども、ヒーロー枠にアビリティで移動力を上げてくれるスロッピティ・バイルパイパーを今回入れています。

あとはナーグリング。これがピン刺しですけど、ちゃんと狙いがあって入れました。今回のマッチプレイルール、各グループの配置位置も決まっているルールです。なので剣・盾・槌の振り分けもその配置を見据えた上での編成です。そしてナーグリングに関しては、剣に入れました。
その理由が今回のマッチプレイに2つあった「財宝確保」系バトルプランの勝利条件。この財宝がお互いの剣の位置から9mvの所に配置されるんですね。なので少なくとも先行をまず第1ターンでとれれば、ナーグリングで2回動かせば(10mv動けば)財宝が取れるようになってるんです。

おおなるほど!いや確かにそうですよね。ルールは分かっているんですから、そういう使い方ができるっていう計算をするのは良いですね。事前準備確認大事。基本移動力はダイスと違って裏切らないですからね。
移動4だと疾走が必要になりますね。なるほど、今回の場合はじっくり『こちらはこれやる』と言ってますからねそこ読み込むというのは正解ですよ。こういう話が聞きたかったんです。みなさんも参考にしましょうね!
このあたり準備しっかりされてるのは流石のうさんですが、全4戦を戦った感想について伺いましょう。どうでしょう、全体を通して予定通り戦えましたか?

ですね。初戦だけ負けてしまったんですけどもそれ以降の3戦はそれぞれ想定通りの動きで戦えたと思います。

この点はまあ疑いようはないと思います。みんなの悲鳴がすごかったですし……。対戦後に交換したコメントシート、これがほぼ全員「キメラ怖い」でしたからね。

怖くないよ?かわいいよ?まあ、みんな怖がってなかなかキメラに攻撃しようとしなかったので、凄く動きやすかった部分があります。

空を飛んでくっていうのもまたずるいですね。

ええそうですよね。モンスターは基本ベースサイズが大きいですからね。囲まれたり道を塞がれるとそれだけで1アクションを無駄にしますが、キメラだけ唯一モンスターでも数少ない飛行を持っています。そのあたり無駄なく相手の倒したい敵をまっすぐに迎撃したり、相手の嫌がる位置取りに移動できたっていうのがあります。

急に来て急に端から端まで来やがって、となりますもんね。ナールウッドでなら意外と色々な場所まで入り込めますしね。

キメラは他にも強いところがあります。移動力が体力満タンだと12あるんで。
戦場の端から端まで行くということができてしまう。

笑っちゃいますよねハハッ。……笑っている場合じゃないですねこれは。

あともう一つは、攻撃回数6攻撃力6で5/10のダメージ量。これは圧倒的の一言ですね。
これで1回攻撃した場合、今あるウォークライの1,000体以上いるファイターの9割は1回で戦闘不能になりますからね(期待値の話です。結局はダイス運!)。

(笑い声)これだったらもう何も全4戦、4戦で全勝の目もありそうに聞こえてきますが、いやそうは問屋が卸さないと。

モンスターの弱点について

はい。とはいえもちろん弱点もありまして(ギス田:待ってました!)。
一つは、射撃です。結局接近戦では唯一無二なんですけど耐久は4で傷は45、とモンスター中では実は低い。モンスターは傷が減ると能力値が減る性質もあるので、それで序盤から離れた所から撃たれたりして弱らせられると、途端に持ち味を活かせなくなります。
ただし2版になってからは、1版で射撃が強すぎたので弱体化されたという事情もあります。なので今回の大会でメインに射撃を使う人はあまりいないだろうと予測はしてたので、心配はあまりしていませんでした。

確かに射撃は使いづらくなりましたよね。味方と接近戦している間は攻撃できない、というのは流石にね……。

対策もできなくはないんですけど、それはちょっと後においておきます。もう一つの弱点が、倒しきれない体力のファイターが複数体いると、結局倒しきれずにやり返されて徐々に弱っていく。で、やられる……それが、1戦目の対戦だったんですね。

1戦目でしたね(笑)。アミダでの組み合わせでしたが、えらいのが1戦目から来たぞと私も思っていました。全4戦の中で苦戦したゲームについては、こちらだろうと思っていました。(※上手く戦術がハマったゲームについての質問は省略しました)

まーと醤油漬けさんが唯一その編成だったんで見事にその流れでやられました(笑)

どちらも編成がガチだなっていうのは前にも言っていましたが。キメラを初めて使うのがそういう相手っていうのはちょっときつかっただろうなと思いますよね。

私自身が使い慣れていなかったのもあるかもしれません。なのでそれが特に苦戦したゲームですね。

これはどのウォーバンドでも共通しますけれども、パワーで一気に押し潰すタイプのプレイをしようとすると、やっぱり傷が多めである程度殴り合いに耐えられる奴を相手にして躓く。
ある意味今回の上位3名はそういう意味で相性の良し悪しがはっきりしているんですよね。まーと醤油漬けさんはどっちにも勝利している。

せーたさんと私はコンセプトが同じでしたからね。

アタッカーと確保要員をハッキリ分けて使うって意味ではそうですよね。矛と盾だ。で、の方にウェイトを置いたのがのうさんで、にウェイトを置いたのがせーたさん。という印象ですね。そう比べると面白いですけれど。

そうですね。私の方は極端に尖らせまくってるので、1体だけの強いファイター、モンスターが動かせなくなると巻き返しがきかなくなる。

ちょっと初戦の流れをもう少し詳しく伺って良いですか?初戦だったので私も全部は見れなかったので。

流れで言うと、まーと醤油漬けさんのシャゴス、スフィランクス、ブルゴールをキメラで順番に倒して行こうとしたんですけど、ダイスも振るわず倒し損ねて……。あとは配置ですね、まーと醤油漬けさんがそこは上手でした。

どっちも圧を掛け合ってたわけですね。誰でもキメラを使えばいいというものではないと。

モンスターにも明確に弱点はあるので、全員がキメラを使って勝てるものじゃないと思います。財宝は運べないし、あとはどれだけ大きくても確保力はありません。
作戦目標確保においてはウォークライだとモンスターも一体扱いなので、残りの編成でその財宝確保の勝利条件と作戦目標確保の勝利条件をいかに達成するかは結構考えましたね。

アビリティの運用について

そうですね。今回皆さんの前でキメラの強さが明確に伝わったことで、今後の対策などが見えてくると思いますね。使い方もかな。
ちなみになんですけども、モンスターには専用の共通アビリティがあって、それに対して怪物狩りのアビリティってありますよね。ちなみにどうでしょう、それらを使った方って大会中にいましたか?

いなかったですね。そして私であっても多分使わないです。正直言うとあんまりコストに見合ってない、という印象がありますね。逆にモンスターのアビリティは強力ですけどね。

確かに微妙な感じはありますが……まあそうか。これも使った人が少なすぎて検証されてない話ではあったんで、一応ね。

またウォーバンドの概要に戻りますと、今回の編成だとアビリティは基本ダブルとトリプルしか基本使わないようになっています。
クアッドを使わないでいいので運要素が排除できるのが強い。ゲーム中に1回もクアッドが出ないことはよくあります。トリプルが出ないと、ワイルドダイスがあっても作れないので。

そうですね。そのケースは私も何度も経験があります。

あとは使うアビリティの種類が少ない。ダブルはスロッピティの「ご機嫌なガットパイプ」、トリプルはキメラの「引きずり回し」くらいです。なのであまり頭の方が疲れないな、と(笑)実際のところゲームはプレイヤー自身も肉体でと戦っていること忘れちゃいけないと思います。

これは結構重要な点ですね。長丁場ですし……あるあるですね。

戦い方もシンプル。モンスター共通アビリティ「引きずり回し」。これとキメラのメチャクチャな攻撃力で、とにかく敵を倒していく。力こそパワーです。

まずいですよね。最近ではキメラを使うことをキメるっていうぐらいですからね……

……初めて聞きましたが?(笑)

本当に言いますよ、はい。……言うということにしましょう!まあ余談は置いておいて。何の話だったかな。

「引きずり回し」については、6mv以内の敵を自分の一mv以内に引き寄せて、固定ダメージを与えるという。これの汎用性が高すぎる。攻撃に使うのはもちろんなんですけど、先程モンスターの弱点と言った財宝確保。その際に相手の財宝を持ってるファイターを引き寄せて接敵範囲に引きずり込む。……倒せなかったとしても接敵しているので相手は逃げられない状況を作り出せる。
作成目標確保でも、相手の位置を無理やり動かせるんで、相手の確保を外せるんです。

確かにそうか、倒さなくても確保を減らせる、というのは強い。

このアビリティで自分の弱点を補っているっていうのは大きいですね。

自分が1体分しかカウントされない、自分が入れない確保地形で相手を減らす、て意味ではなるほど補ってますね。

あとはもう一つが自分と接敵させるんで、射撃メインの敵に対しても敵ファイターを一体引き寄せて他のファイターが射撃できないようにするとかも出来ます。

肉壁にするという……なんて野郎だ。

「引きずり回し」でダメージ与える際にその肉壁君を倒さないようにしなきゃいけないとか、そいつには接近戦攻撃されるとかの問題はありますけどね。それでも一方的にやられるよりはマシだろうと。

面白いな。こう聞いてみるとモンスターにはいろんな可能性があるんですね。私もちょっと使ってみたくなります。
あとは欠点としては……やっぱりコストにはなりますよね。

そうですね。残ったコストで何をどう編成するか、できるか

とんかつ弁当のとんかつみたいなもんですよね。主役が明確な分、残ったスペースに白米や他のおかずをどれぐらい詰め込めるか、という話になりますからね。

攻撃力だけじゃだめだよ。ちゃんと野菜(編成数、移動力 etc)も取りましょう(笑)

いやでもそうですね。キメラについては本当に実戦で使った方の意見・感想ということで、大変ためになるお話を聞けました。ありがとうございました。そうですよね、カタログスペックだけでなく使ってみないとわからないですから。

この辺りは使ってみて改めて分かったところなんで、実戦は大事だなと思って改めて思いました

ちなみにどうか実際のところどうでしょう?次の本大会でも使ってみたいなと思いますか?キメラ君は

うーん、わからないですね。……黙秘しますってことで。

了解しました(笑)皆さんこれが答えですよー。
ということで、大会全体の感想についてですね、最後にちょっとこれも聞きたいと思いますけれども。どうでしょうか。今回の大会色はまず最初期からどんな風に海外で行われているだとか、それをどう自前でやれるかとか、そこのところを相談しながら作っては行きました。
特にのうさん自身がウォークライの海外事情を調べたものを私に話して頂いて、国内で参加したイベントとかも踏まえながら大会に繋がりましたが。どうでしょう、思い描いていた大会に近い感じには……なりましたかね今回。

大会の感想について

楽しかったです。本当に運営ありがとうございます。そうですね、やはり可能な限り公平な条件で、という大会は初めて経験できたので。そこが本当に楽しかったです。そういう場だからこその今回の発見もあったんで。

そこは真剣勝負だからこそっていうところですかね。そうですね、みんな結構ガチでしたからね。

やっぱりゲーム会でのオープンプレイや、身内でナラティブプレイの会もやっていますが、そことはまた違う形でウォークライを遊べたというだけでも満足ですね。

ウォークライへの純粋な気持ちが伺えますね(笑)そう言っていただければよかったです。
ウォークライで分からないことは私ものうさんに聞けばいいやと思ってましたが、公平性の観点から大会準備段階では何も聞けなくて困りましたよ。本当にもう聞く相手がいなくて……まあなんとかはしましたが(ChatGPT君ありがとう……)。
あとは次の大会への要望に関してですね。ここは愛のムチとしてちょっと厳しいのも認めましょう。

テレイン準備の話は……なしにしましょうか(苦笑)。マッチの組み合わせは、何か別なのを試してもいいのかなと思います。2戦目以降は、他の方も言っていましたがスイスドロー形式ですとか。でもここは試しながらになるかな。人数にもよりますし。

はい。今回はちょっと時間的にテンポよくしたかったという都合もありましたしね。最初のアミダで決まるという意味ではフェアだとは思っていますが。

あとは全4戦はちょうど良かったのかなと思います。長さ的に。

正直タイムスケジュールとしてはもう少し余裕があった方が、とは自分でも思いますが……やっぱり全部出し切るという意味で4戦は欲しいなと個人的には思いますよね。ここはちょっとまた後日話しましょう。

3戦目時点でどれぐらい差がついたかとかにもよりますしね。とはいえ基本私からはそんなに要望自体ないですね。マッチプレイを日本の環境でできる範囲で、大会としてうまい具合に落とし込んでくださったと思っています。本当にありがとうございました。

恐縮です。でも結局はどっちかというとやり方の問題ですかね。色々アンケートでもありましたが、どこまで採用するかどうか……まあこれも後日に。

あとは公式が用意してくれてるマッチプレイのプラン「唸りの森の勇士」があるので、それもやってみたいですね。全く違う感じなんでそれを使えば前回参加者でなくても差がつかなくていいのかなと。

私もあれは気になってるんですけども、プレイ時間が1時間想定してるんですよね。それが本当に終わるのかというのはちょっと検証したいですね。
ただこれが良さそうなら、公式から提供されてるマッチプレイが全12種類になりますからねここからのランダムとなると、まあ地獄だわ……。
とはいえ6パターンだと打ち筋は見えてきますしね。練度を高めるにはちょうどいいですが、色々試して楽しいのがウォークライですから、もっと増えて欲しいという気持もあります。

ちなみに今回の大会でのバトルプラン、この編成で三つそれぞれのバトルプランどう動くかっていうのはまとめていたんですけど……話しますか?

うーんインタビュー時間伸びるのはもう勘弁してください……(※別の方のインタビューがアホほど伸びたと通達済みです)。
まあでもまたウォーバンドも増えますしテレインも増えますし、色々変わり続けていますからね。そこはバトルプランへの対処法も変わるかも知れませんしね。
これらも楽しみでありますけども、ちょっとこれは別の記事でやりましょう。
まあのうさんの要望としては、他の話もまとめると「おらもっと強いやつと戦いてえ!」に集約されるんですよね(笑)

それは優勝者が言う言葉ですよ、私はまだまだ修業が足りぬ……(笑)

でもそうですね、キメラの話は本当に聞けてよかったです。どんな強いウォーバンドにも弱点はあるということで。

全勝の方も結局いなかったですしね。

まさしく。いずれにしても、のうさんは今回は優勝を逃しましたけども、非常に前準備から当日のゲームまで善戦されていて頼もしい限りです。今回はモンスターでの真剣勝負参加という貴重なお話を聞かせていただきまして、どうもありがとうございました。

ありがとうございました!

大会参加者としてはこれにて一段落ですが……。次回大会についてはまたこれから相談させていたければと思いますのでそこのとこはよろしくです。いやほんと他にもあれこれの記事もあるしね……。
ということでインタビューでした!

※本記事の画像データ参照先(Warhammer Community、ystker氏撮影写真、いらすとや)

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